埋戻工B,C,Dは積算における難所の一つです。
先ず歩掛を見てみましょう。
埋戻工C 100m3当たり
タンパ締固め 100m3当たり
機械運転単価表
[機-1]単価表
[機-31]単価表
となっています。
一見何の変哲も無い普通の歩掛に見えます。埋戻工Cを計算するために「バックホウ」「振動ローラ」「タンパ」の単価を算出する。ただ数が多いだけ、歩掛を計算するために他の歩掛を計算しなければならないだけ。のように見えます。
ところが問題となるのは[機-31]単価表です。
この単価表は機械損料ではなく賃料となっています。いわゆるリース料です。そして単位は供用日です。つまり、1供用日当りのリース料を計算に使用します。
「1供用日当りのリース料」そのような記載は何処を探してもありません。なぜならばリース料とは1日当りもしくは1月当りで定められたものです。1供用日当りで物を借りると言うほうが無理が有ります。しかしながら、土木工事積算基準マニュアルには積算例が記載されています。
正確に明記されているわけでは有りませんが、積算例によると1供用日当り賃料は1日当り賃料の65%となっています。正確には「土木コスト情報」の金額に0.65を掛けた金額と単価として使用しています。
これが、この積算の難しいところです。このような例は、「振動ローラ」「タンパ」のほかに「発動発電機」「空気圧縮機」などにも見受けられます。残念なことに「1供用日当り賃料は1日当り賃料の65%とする」と言った記載を未だに確認できていません。ただ積算例がことごとく65%となっているので正しいと思われます。
では上記の内容を元にタンパ運転1日当り単価を算出してみます。
タンパの金額は市場単価に登録してあります。市場単価は材料費と異なり施工条件による割増しに対応する機能が有ります。と言っても掛け率を直接入力するだけですが・・・。
歩掛入力画面においてタンパを選択すると以下のような画面になります。
このデータでは金額は1,300円です。この金額を供用日単価の65%に変更します。65%にするのは簡単で補正に0.65を入力するだけですが、この数字を覚えておくのは面倒です。そこで単位を「供用日」とすると自動的に0.65が入力され、1供用日当りの金額になります。
補正値を入力するのはまどろこしい様に感じるかもしれませんが、この0.65と言う数字は将来も0.65とは限りません。つまり、自動で65%の金額を入力するとか、65%の金額を予め入力しておくと言うのは変化に対応できません。そこでやむを得ず掛け率を入力します。またこの掛け率は市場単価の割増しにも使用できます。
機能が色々有って扱いにくいかもしれませんが、積算条件に細かく対応するためには機能が複雑になるのは避けられません。
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