建設機械等損料は2年おきに見直されています。
その際、時代のニーズに合わなくなった建設機械は削除されていきます。
具体的には地球温暖化対策、生活環境への配慮などから「排出ガス対策」がとられています。掘削機械などでは1次基準から3次基準まであるものもあります。排出ガス以外では技術の進歩により軽量化が出来たものなども稀にあります。
時代に合わなくなった建設機械損料はそのうち削除されるのですが、歩掛の中では古い機械を使用したものが存在します。その上新しい建設機械損料には規定がない。つまり類似の機械がないため積算できない場合が存在します。こういった場合の対処方法を解説します。
前提条件は次のとおりです。
①損料の規定がないため、おおよその金額しか算出できない。
②古い建設機械損料には規定がある。
③新しい建設機械損料には同じタイプの機械が規定されている。
下の図は平成23年度時点の機械損料と平成14年度当時の機械損料の抜粋です。
平成14年度当時ではブルドーザ・超湿地13t級の規定がありますが、平成23年度の規定には超湿地の規定そのものがなくなっており、超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)・13t級の規定もありません。
しかし、ほ場整備の歩掛において超湿地13t級が使用されています。つまり、何とかして算出しなければ「0円」を計上することになります。
ここでできることは
①平成14年度当時の規定をそのまま使用する。
②平成23年度時点の規定に置き換えて使用する。
いずれの方法を使用するかは発注者の意向によると思います。平成14年当時の規定をそのまま使用する場合は、以下の方法は無視してもらって構いません。以下の方法は新旧の損料表を比較して何とか時代に合った損料を導こうとする方法です。
そもそも超湿地13tもしくは超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)13tなるブルドーザが現在生産されているのか?という根本問題はあります。
調べてみたところ超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)13tなるものは見当たりませんでした。しかし以前生産されていた超湿地13tを平成23年度の規定で使用することはあり得ます。
(15)欄 損料額をそのまま見ても参考にはなりません。見るべきところは(2)欄~(7)欄および残存率です。(14)欄 損料率を見ても構いません。
平成14年度当時ブルドーザ・超湿地は(2)欄~(7)欄、残存率まで同じ値です。つまり同じタイプの機械として扱っています。
これに対し平成23年度の規定では超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)で4t、10tは同じ値ですが、18tは値が異なります。つまり異なるタイプの機械として扱われています。
では13tは4t,10tのタイプなのか、18tのタイプなのか明らかにする必要があります。これが8t位なら4t,10tの間なので…。と言えますが、10t,18tの間ではどちらか判りません。
ところが普通・排出ガス対策型(第3次基準値)の3t~15tまでと超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)4t,10tは同じ値であり、またそれぞれの18tも同じ値です。
つまり普通・排出ガス対策型(第3次基準値)と超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)は同じように考えられている事が判ります。これにより13tは4t,10tの値を使用するはずです。
機械質量、(2)欄~(7)欄、残存率は10tの値をそのまま使って構わないでしょう。機関出力は平成14年度の超湿地と同じ値ですのでそのまま使用します。
問題は基礎単価です。基礎単価がどのように変わっているのかが問題です。
比較のために超湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)10tを見てみます。
平成14年度 : 10,500(千円)
平成23年度 : 10,600(千円)
ほとんど変わっていませんが1.009524倍と言うことで話を進めます。
平成14年度時点の超湿地13tの基礎単価は12,700(千円)これを1.009524倍すると12,820(千円)となります。簡単に1.01倍でも構わないのですが1.009524倍の方が端数が出なかったので採用しただけです。
これらの値をあてはめると次のようになります。
気になるところは
運転1時間当り換算値 6,030→5690(+6%)
供用1日当り換算値 14,900→16,300(-9%)
と一方が上がり、一方が下がっています。
しかし、平成14年、平成23年共に規定のある湿地・排出ガス対策型(第1次基準値)13tでも同じように片方が上がり、片方が下がっているのでおそらく正しいのでしょう。しかし、ずいぶん差があるものです。
ちなみに燃料消費量=機関出力×燃料消費率=96×0.175=16.8
ですが、端数処理の規定により16.0となります。
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