積算における端数処理について問い合わせが有ったのでここに記載します。
前置きとして次の2点を記載しておきます。
①ここに記載する内容は代価表から単価を作成する場合の端数処理です。
代価表内の端数処理は四捨五入です。
②経費計算における端数処理は条件変化がありません。
このため土木工事積算基準マニュアルをご確認ください。
端数処理において問題となるのは代価表から単価を導く際のまるめ処理です。2つのパターンに分かれます。この部分は土木工事積算基準マニュアルにも明記された部分が見つからないので、積算例から推測する内容になります。
①諸雑費1式の場合は切り上げ
②諸雑費○○%は切捨て
どういうことかと言うと、
「業者が使った金額を切り捨ててはならない。ただし、積算に上がってこないような細かな金額を率計上した部分については切り捨てて良い。」と言う事です。
具体的には次のようになります。
諸雑費「1式」の例として床掘り工では歩掛は次のようになっています。
これを実際に代価表として表記すると次のようになります。
ここで問題となるのは諸雑費「54円」の根拠です。
「バックホウ運転」および「普通作業員」の金額を合計すると
25,126+4,020=29,146(円/100m3)
となり、これを1m3当たりの単価にすると291.46円となりますが、諸雑費「1式」の場合切り上げとなります。この辻褄を合わせるために54円を諸雑費として計上しています。
また諸雑費「○○%」の例として大型ブレーカ掘削歩掛(Ⅰ)では歩掛は次のようになっています。
単価表では諸雑費「1式」となっていますが、歩掛において諸雑費「○%」が定められています。このため諸雑費「○%」の歩掛として扱います。
これを実際に代価表として表記すると次のようになります。
ここで問題となるのは諸雑費「922円」の根拠です。
11,538×8%=923.04となるのが正しいのですが、代価表では922円となります。その理由は次の文言に由来します。合計額に本表の率を乗じた金額を上限として計上するです。どういうことかというと諸雑費はこの金額を超えてはならない。しかし、まるめ処理は必要と言う事です。
このため
①大型ブレーカ運転単価+諸雑費=合計金額
11,538+923=12,461
②合計金額を単価に変更し端数は切り捨て
12,461(円/10m3)から1,246(円/m3)
③単価との辻褄があうように諸雑費を計算しなおす
12,460(円/10m3)となるように諸雑費を922円に修正
と言う事です。
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