積算を始められたばかりの方は、自分の積算した金額と落札予定金額の違いに驚くことでしょう。私も最初は驚きました。
平成10年前後は私が積算を始めたばかりで「経費率50%」とか「この工事はもう少し経費率が良くて」とか「共通仮設費?そんなんやっとったら合わんじゃろ」とか色々ありました。
これがはっきり判ったのはExcelで経費率の計算マクロを作成してからです。(経費率の計算機能は井解-SeiKai-の中に含まれています。)
「経費率50%」などという数字は積算基準の何処にも記載されていません。なぜならこの数字は計算結果だったからです。
古いサンプルになりますが詳細は以下のようになっていました。
材料費込みの直接工事費100万の工事があったとします。これが
河川工事であった場合 設計金額は1,650,000-
舗装工事であった場合 設計金額は1,700,000-
となります。この場合経費率は「65%」「70%」ですが、設計金額と落札予定金額は異なります。誰でもそうだと思いますが買い物をするとき「少しくらい負けてよ」という掛け率が予め存在します。ただし、この掛け率は発注者によって異なるはずです。
注意
ここで記載する掛け率は「歩切」としてかつて存在していました。ですが、現在は違法行為として国土交通省が根絶に向けて動いていると一般財団法人 経済調査会様から連絡がありました。こちらに国土交通省から内容を期したPDFが公開されています。
今後は工事の品質確保のため「歩切り」を行わずに設計によって算出された価格がそのまま落札の上限となるそうです。
この掛け率が仮に92%であったとするなら、1,650,000-の金額に92%を掛けると(万円以下切捨てで)1,510,000-となり、おおよそ「経費率50%」と辻褄が合います。
この50%という数字は色々な計算の結果であったことが、時間を経てわかりました。
そこで問題となるのは設計金額を落札予定金額にするための掛け率です。
どんな駆け引きをするにしても落札予定金額が概ね判っていなければ不利です。そこで落札予定金額を探る方法を考えて見ます。